【聖戦の系譜】#31琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

前sm37832956 mylist/68640421 次sm37871387琴葉姉妹は解放軍のアジトに案内された。ティルナノグの一画にある豪商の持ち家だという。遠目からでも目立つというのに帝国に潰されないのは袖の下が利いているのだろう。門の前で二人は見覚えのある文様を見つけた。「これ……」琴葉商会のエンブレムだった。17年前に会頭の葵が消えてもずっと存続していたのだ。二人が残したものが解放軍の助けになっていることに目頭が熱くなるのを抑えきれなかった。家に入りとある部屋の前でシャナンが中に声をかける。「セリス。客人だ」扉を開くと窓際にいる青年が振り返ったところだった。外からの日差しで葵には彼の顔がよく見えなかった。だがその雰囲気と面影は忘れもしない。「シグルド様……?」葵が呟いた言葉に青年は虚を突かれたような顔をしてシャナンを見た。その表情はまだあどけなさが残りシグルドほどの逞しさはない。それにシャナンはさっき何と言ったか。そうだ。確かに彼の名前を呼んでいた。「セリスちゃんなの?」「そうだけど、あなたたちは……いや、覚えがあります。とても懐かしい気持ちだ。ずっと昔にあなたたちに会ったことがある……」セリスはゆっくりと近づいて二人の手を取った。かつて抱き上げられるくらい小さかった彼はもう見上げないといけないほど背も伸びていた。握った手も大きくなっていたがずっと変わらないものもある。この温かさはたぶん昔と少しも変わっていない。「アカネ……アオイ……」葵はセリスのまなざしにディアドラを見た。彼を抱いたディアドラの横をよく一緒に歩いたものだ。隣で茜が涙をこらえているのが分かる。だけどそれももう限界だろう。葵も同じだったから。シグルドの声色に似た優しい声でセリスは言った。「おかえり」という話はなかったと思うので忘れてください。